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韓国特許権行使:侵害・有効性・証拠・手続の判断基準

Pine IP Firm
2026年9月3日

韓国で特許権を行使する前に、差止め、損害賠償、ライセンス、輸入停止又は市場からの撤退など、優先する事業目的を定める。その上で、権利状態、侵害、有効性及び証拠を検証し、警告、仮処分、本案訴訟、審判及び税関措置の組合せを決定する。

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行使目的

韓国での販売・輸入停止、独占市場の維持、過去損害の回収、ライセンス交渉、国際紛争での交渉力確保など、複数の目的には優先順位を付ける。早期和解を目的とする案件と、最終的な差止判決や先例形成を目的とする案件では、開示する情報と選択する手続が異なる。

権利状態と当事者適格

相手方に通知する前に、次の事項を確認する。

  • 登録名義人、譲渡の連鎖、専用実施権その他の権利関係
  • 特許の存続、年金納付、残存期間及び訂正・審判の履歴
  • 韓国語請求項、明細書、審査経過及び補正理由
  • 対象製品・工程と韓国内の製造、販売、輸入その他の行為
  • 外国での関連紛争、ライセンス及び契約上の制限

侵害対比表は韓国特許の請求項に基づいて作成する。米国、欧州又は日本の対応特許は請求項と審査経過が異なるため、代用できない。

侵害と有効性

各請求項について、対象製品の対応構成、直接証拠、推認に依存する箇所、請求項解釈、均等論及び非侵害主張を整理する。同時に、新規性、進歩性、記載要件、明確性、優先権及び補正経過を検討する。広い請求項解釈に依存する侵害主張は、有効性に対する攻撃範囲も広げる。

相手方は知識財産審判院に無効審判を請求できる。知識財産審判院の案内に基づき、民事侵害訴訟とは別に有効性手続が進行し得るため、権利行使前に無効資料と反論方針を準備する。

証拠保全

流通経路を記録して対象製品を入手し、梱包、取扱説明書、ウェブページ、販売日、販売者及び購入記録を保存する。技術試験は、試料の同一性、試験条件及び結果を第三者が追跡できる方法で実施する。ソフトウェア、製造工程又は供給網内部の情報が必要な場合は、韓国の証拠収集手続で取得可能な資料を特定する。

初期対応

協議又は警告書

警告書には、権利、対象行為、侵害の要点及び求める対応を記載する。相手方による証拠変更、確認訴訟、無効審判又は顧客通知の可能性を考慮し、送付前に必要な証拠を保全する。ライセンス協議を目的とする場合も、侵害と有効性の分析を済ませる。

仮処分

市場参入や供給契約によって回復困難な損害が切迫している場合は、差止仮処分を検討する。裁判所は、被保全権利、侵害の蓋然性、緊急性、損害の比較及び公共の利益などを審理する。短期間に集中的な審理が行われるため、申立前に請求項対比、有効性資料及び損害資料を準備する。

本案訴訟

本案訴訟では、侵害差止め、侵害品の廃棄等及び損害賠償を請求する。第一審の特許侵害事件は指定された裁判所が管轄し、民事知的財産権侵害判決に対する控訴は特許法院が扱う。特許法院の英語案内は、知的財産民事事件の控訴管轄を説明している。

韓国には米国型の広範なディスカバリーはない。相手方が保有する技術資料、会計資料又は販売資料のうち、侵害と損害の立証に必要なものを早期に特定し、利用可能な提出命令その他の手続を検討する。

税関措置

侵害品の輸出入が問題となる場合は、関税法第235条に基づく知的財産権の税関登録と通関保留を検討する。韓国関税庁の知的財産権保護案内には、特許権を含む税関保護制度が記載されている。

刑事手続の利用可能性は、対象行為、故意、証拠及び適用法に左右される。民事訴訟とは立証、手続管理及び事業上の影響が異なるため、個別に判断する。

損害と費用

損害額は、侵害者の販売数量・利益、権利者の実施能力と逸失利益、合理的実施料、特許技術の寄与度及び侵害態様などから検討する。事実と適用法に基づいて複数の算定方法を比較し、回収可能額、差止めの効果、手続費用、無効リスク及び事業関係への影響を併記する。

並行手続と和解

民事訴訟、知識財産審判院の手続、外国訴訟及びライセンス交渉では、請求項解釈、技術的相違点及び有効性に関する説明を整合させる。翻訳の相違や手続ごとの主張の矛盾は、侵害と有効性の双方に影響する。

和解条件は、対象製品、将来製品、地域、関連会社、実施料、監査、秘密保持、既発生請求の免責及び並行手続の取下げを含めて設計する。権限を持つ意思決定者と受入可能条件を訴訟提起前に定める。

法務・編集レビュー:2026年7月20日。本記事は一般的な制度情報であり、具体的な権利行使は権利状態、対象行為及び証拠に基づいて判断する必要がある。