サムスン電機の特許出願動向:H01G・G02B・H05Kの分類別分析

Pine IP Firm
2026年7月22日

2026年7月7日に提供されたサムスン電機関連の特許データ60,906行を対象に、国コードと出願番号で重複を除いた60,838件を分析した。確認項目は、年別出願件数、国別分布、主要IPC、2022年から2024年までのIPC、法的状態である。

サムスン電機特許出願の年別推移グラフ
国コードと出願番号で重複を除いた出願単位の年別推移。2025年以降は公開遅延の影響を受けるため、2024年までを分析対象とした。

重複除去後の記録のうち59,756件(98.2%)は、出願人名にサムスン電機またはSamsung Electro-Mechanics系の表記を含む。残りには共同出願、関連会社、名称表記の差異、収集時に含まれた記録が含まれる可能性がある。個別権利の帰属、存続、権利範囲を判断する場合は、各国の公報と登録原簿を確認する必要がある。

分析項目主な数値分析上の扱い
原データ規模60,906行公開・登録文献および国別ファミリー文献を含む。
出願単位の分析対象60,838件国コードと出願番号を基準に重複を除いた。
サムスン電機関連表記59,756件、98.2%韓国語・英語の出願人名の表記揺れを整理した。
安定分析区間1979-2024年2025-2026年は公開遅延の影響を考慮して除外した。
直近IPC分析2022-2024年、5,774件公開状況が比較的安定している3年間を用いた。

2011年から2014年に出願件数が増加

出願件数は2005年以降に増え、2011年3,313件、2012年3,742件、2013年3,934件、2014年2,978件となった。全期間では2013年が最多である。この時期の件数には、MLCC、回路基板、光学部品、カメラモジュールに関する出願が含まれる。

2015年以降の件数はこの水準を下回るが、2020年2,061件、2022年1,809件、2023年2,037件、2024年1,928件で推移している。件数の減少だけから研究開発規模や事業競争力を判断することはできない。出願人の選別方針、ファミリー構成、公開時期、分割出願の有無も件数に影響するためである。

出願国は韓国、米国、中国、日本の順

サムスン電機特許出願の国別分布グラフ
出願単位の国別分布。KR 35,775件、US 13,963件、CN 5,537件、JP 4,848件、EP 587件、WO 128件。

韓国(KR)は35,775件、米国(US)は13,963件、中国(CN)は5,537件、日本(JP)は4,848件、欧州(EP)は587件、PCT(WO)は128件である。構成比は韓国58.8%、米国23.0%、中国9.1%、日本8.0%となる。

ファミリーの展開国数の中央値は3か国で、2か国以上に展開されたファミリーは63.8%、5か国以上は5.6%である。国別文献数は市場の重要度を示す一資料となるが、同一発明の各国文献を含むため、独立した発明数や各国売上高を直接表すものではない。

H01G、G02B、H05Kの分類内容

サムスン電機特許の主要IPC別出願件数グラフ
出願単位の主要IPC。H01G、G02B、H05K、H01L、H04N、H01F系が上位を占める。

最多のH01G-004/30は積層コンデンサに関する分類で2,436件である。H01G-004/12は誘電体に関する下位分類を含む群で1,507件、H01G-004/232は積層または巻回コンデンサの複数層の電気接続に関する分類で840件である。これらはMLCC関連出願を抽出する有力な入口となる。ただし、H01G-004/30だけでは誘電体材料、内部電極、端子構造、製造方法を特定できず、すべてをMLCC製品に対応させることもできない。明細書と請求項による確認が必要である。

G02B-013/00は特定用途向けの対物光学系に関する分類で1,291件、H04N-005/225は旧版IPCで撮像装置に用いられた分類で913件である。これらの文献にはレンズ構成、撮像装置、カメラモジュールの構造が含まれ得るが、分類コードだけで採用製品や光学性能を判断することはできない。

H05K-003/46は多層回路の製造に関する分類で1,151件、H05K-001/02はプリント回路基板の材料・構造に関する群で832件、H05K-001/11は導体間接続に関する群で503件である。基板およびパッケージ基板の技術調査では重要な分類だが、一般的な多層回路基板も含むため、半導体パッケージ用途に限定した件数ではない。

2022年から2024年の分類別件数

サムスン電機特許の2022年から2024年主要IPCグラフ
2022-2024年の出願日を基準とする主要IPC。2025年以降は公開遅延の影響を考慮して除外した。

2022年から2024年までの5,774件では、H01G-004/30が937件、G02B-013/00が482件、H01G-004/12が378件、H01G-004/232が228件である。積層コンデンサと光学系に関する出願が継続している。

同期間には、H05K-001/11が154件、H05K-001/02が142件、H01F-027/28が138件、G02B-007/02が133件、H04N-023/68が96件含まれる。これらは、基板の接続・構造、巻線やコイル、光学部品の支持、撮像装置の制御に関する調査対象となる。IPCは出願時期や版によって新設・移行されるため、年次比較では同義分類の正規化と複数IPCの確認が必要である。

登録、消滅、拒絶等の法的状態

サムスン電機特許の法的状態分布グラフ
出願単位の法的状態分布。長期間のデータであるため、消滅した案件も多数含まれる。

法的状態は、消滅19,268件、登録13,307件、拒絶9,363件、取下げ8,885件、放棄4,967件、公開3,019件、審査中1,865件である。消滅には存続期間満了、年金不納、事業上の整理など複数の原因があり、状態ラベルだけでは原因を確定できない。

FTOや権利行使の検討では、登録および審査中の案件を優先し、残存期間、独立請求項、分割・継続関係、各国ファミリーの状態を確認する。消滅案件は権利行使の対象にはならないが、既知技術、設計変更、後続改良の経緯を調べる資料となる。

分析結果の利用範囲

本データでは、積層コンデンサ、光学系、撮像装置、多層回路、コイルに関する分類が継続して確認された。競合分析では、製品名による検索に加え、材料、電極配置、積層構造、製造工程、光学配置、接続構造を請求項単位で確認する必要がある。

出願件数とIPC集計は、技術分野を絞り込むための指標である。権利の強さ、製品への対応、侵害の成否、売上への寄与を示すものではない。個別案件では公報、登録原簿、ファミリー情報および請求項を確認する。

分析基準:2026年7月7日に提供されたpinepat1_concat_2026_07_07.xlsx。原データには公開・登録文献、国別ファミリー文献、重複記録、出願人名の表記揺れが含まれる可能性がある。数値は国コードと出願番号による重複除去および出願人名の正規化後の集計値である。