AI活用発明:発明者認定では人間の実質的寄与が核心です

Pine IP Firm
2026年7月2日
AI時代の正しい特許出願に関するKIPOガイド
AI活用発明では、人間の寄与、記録、データ検証、秘密管理が重要です。

韓国特許庁は2026年6月、AI時代の正しい特許出願に関する案内を公表し、AIを活用した発明であっても、人間が発明の創作過程に実質的に寄与していなければ正当な発明者として認められないことを明確にしました。

AIを研究開発ツールとして利用する企業や研究者にとって、これは単なる政策情報ではありません。出願前に確認すべき実務上のチェックリストです。

核心はAIではなく人間の実質的寄与です

特許を受ける権利は、発明をした者またはその承継人に帰属します。AI自体を発明者とすることはできません。人間が技術的思想の創作に実質的に関与している必要があります。

生成AIに一般的な指示を入力し、その結果をそのまま出願するだけでは、登録が困難になり得ます。登録後であっても、無効理由として問題になる可能性があります。誰が技術的課題を設定し、AIの候補結果から何を選び、構造、工程、アルゴリズム、実験条件をどのように修正したかが重要です。

研究ノートと発明者確認資料を残すべきです

審査過程で発明者の正当性が疑われる場合、人間の寄与を示す資料の提出が求められることがあります。AI活用発明では、明細書作成前から次の資料を残すことが望ましいです。

  • 人間が技術的課題と解決方向を設定した記録
  • AIプロンプト、入力データ、使用モデル、使用日時
  • AI出力を人間が選択、修正、組合せ、検証した過程
  • 実験設計、シミュレーション条件、反復検証結果
  • 共同発明者ごとの具体的な寄与内容

AI生成の試験データは必ず検証します

AIは存在しない技術内容、根拠のない効果、未検証の試験結果を生成することがあります。そのような内容を実際の実験結果のように明細書や意見書に記載してはいけません。

医薬、先端材料、電池、バイオ、化学のように効果データが特許性に大きく影響する分野では、リスクがさらに高くなります。AIが提示した候補物質や性能値は、出願資料として使う前に実験的に確認すべきです。

AI発明の類型ごとに確認点が異なります

  1. AI自体に関する発明:抽象的なアルゴリズムだけでは不十分であり、情報処理やハードウェアを通じた具体的な技術手段として説明する必要があります。
  2. AIを構成要素に含む発明:人が行っていた業務をAIに置き換えたという説明だけでは不十分です。AI処理構造、学習データ、推論フロー、制御ロジック、効果を示す必要があります。
  3. AIを道具として導いた発明:AI結果を人間が検証し、再現可能な技術内容として明細書に整理する必要があります。

秘密情報の入力にも注意が必要です

AIツールに入力した資料が外部モデルの学習やサービス改善に使われる可能性を確認すべきです。未公開発明、実験データ、顧客資料、ソースコード、製造条件、組成比は、新規性や営業秘密性に影響します。

Pine IP Firmの見解

AIは研究開発の速度を高めますが、発明者認定、データ検証、明細書の信頼性、営業秘密管理の問題も増やします。AIが作成した草案をそのまま出願するのではなく、人間の技術的判断と検証の記録を残すことが重要です。